GAP制度について<GAP認証取得をお考えの皆様へ>

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はじめに

私たち生産者にとって、まだまだ「GAP」という単語は聞き慣れていないのではないでしょうか?

この「GAP」は、基準をもとに第三者機関の審査により、継続的に農業を続けていくための取組を実現していることを確認された農場に与えられる認証のことをいいます。要するに、「良い農場の目印」です。

このGAPについては、農林水産省でも推進をしていますので、この制度の概要についてご紹介致します。

GAPってなに?

「GAP」とは、「Good Agricultural Practices:農業生産工程管理」のことで、農業生産の各工程の実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活動のことをいいます。

分かりやすく言い換えれば、良い農業の取組といえます。

具体的には、農業は環境と密接に結びついている産業であることから、持続的な農畜産物の生産には土、水、気温といった自然環境が事業の将来性を大きく左右します。継続的に農業を続けていくには、働く人の安全確保や福祉の充実、人材の育成、差別のない職場環境など、将来を担う人材を確保するための取組が必要となります。こうした農業の持続性に向けた取組を通じて、適切な農場管理の基準をクリアすることで、良い農業の実現が図られるというわけです。

GAPの取組とは?

GAPの取組には、<GAPをする><GAP認証をとる>の各段階があります。

<GAPをする>とは、農業者がGAPを自ら実施することをいい、認証取得の有無は関係ありません。

<GAP認証をとる>とは、農業者がGAPを自ら実施することを前提として、自らの経営判断でGAP認証を受けることをいいます。これにより、GAPを実施していることが客観的に証明されます。ここでいう<認証>とは、ISO/IEC 17065の基準に適合していることを認定された認証機関の審査により、GAPの実施が確認された証明を意味します。

認証の取得・維持には費用が発生することに注意が必要です【重要】。

また、<GAP認証>という言葉は、農産物の品質を保証するものではないことにも注意が必要です【重要】。すなわち、<GAP認証>によってGAPを実施している<農場が>評価基準に合格していることを示すものなので、あくまで<農場>の認証であるということを理解しておかなければいけません。

<GAP認証>を分かりやすくを言い換えれば、農産物を購入する業者が生産農場の信頼性を確認するため認証機関を通して実施している第三者認証制度とも言えます。

なぜ、農産物を購入する業者は、生産農場の信頼性を確認するの?

確認する理由のひとつに、農産物にクレームがあった時に直ちに対応するため、が挙げられます。

業者としては、購入した農産物にクレームがあった時には、その農産物の供給先である提供農場を特定します。そして、その農産物に対しての品質管理の仕組みはどうだったか? 農場における重点的に管理すべき作業は何か?責任者は誰か?農場の管理状態をチェックする仕組みがあったのか?などに基づいて原因を究明し、クレーム先に対して十分に説明を果たさなければならないのです。

この原因究明が遅れたり、十分に納得できる説明が果たされない時はどうなるでしょうか?

このクレームがあった農産物を扱った業者の社会的信頼が損なわれてしまうのです。

そこで、業者は、食品安全のみならず労働安全や環境保全など持続性に配慮した農場を選ぶ必要が出てきます。業者はこのことが農産物の安定供給につながることもまた理解をしていますから、業者としては<GAP認証>が農場選定のひとつの基準になり得るわけです。

すなわち、GAP認証をとった農場は、よい農業のやり方を実践して、環境保全に配慮した安全な労働環境により安全な農畜産物の生産を実現しており、品質管理体制の構築が万全であることを客観的に証明されていますから、業者はGAP認証をとった農場と安心をして取引ができるということになります。

このことは、<GAP認証>が農場にとっても業者に生産農場の信頼性をアピールできる「手段」として成り立つことを意味しています。

GAPが農業経営に与える効果

例えば、認証を取得した経営体への訪問調査結果として、認証取得に取り組んだ効果として以下のような声があります。

1、肥料・農薬の管理において有効であり、生産物への交差汚染リスクが軽減したと感じる。【個人経営体・野菜】

2、以前は感覚で施肥していたが、データを蓄積・分析して適正施肥に努めるようになった。【個人経営体・野菜】

3、労働安全の意識が高まり、従業員が自主的に機械の整備・点検に取り組むようになった。【法人経営体・果樹】

4、GAPに基づく作業者への教育・訓練は、外国人技能実習生の育成にも大変有効。【法人経営体・野菜】

5、家族内の役割分担が明確化され、各人の責任感も向上した。【個人経営体・野菜】

6、GAPの取組に伴う片付けや記録の手間は増えたが、整頓された環境で計画に基づき効率的に作業を実施できるようになり、全体の作業時間の減少につながった。【法人経営体・穀物】

7、認証取得により実需者から前向きな評価が得られるようになった。お中元・お歳暮商品にも取り上げてもらえるようになった。【法人経営体・野菜】

参照:令和元年度GAP導入影響分析のための調査委託事業(農林水産省)

新潟県内におけるGAP認証を取得した農場

【よりよい農業の実践】GAPで変わる!農業を変える! – 新潟県ホームページ (niigata.lg.jp)

日本なし

まとめ

「GAP」を導入することは、農場の経営判断に委ねられています。
令和3年1月現在ではありますが、新潟県内のGAP認証取得農場数は、138農場(JGAP:83農場、ASIAGAP:23農場、GLOBALG.A.P.:32農場)となっています。

認知度の高まりを受けて、認証を取得する農場数は年々増加している状況ではありますが、まだまだ認証取得にまで至っていない農場がほとんどです。

多くの生産者にとって「GAP」についての意識が高まり、GAP認証取得農場が増加することは非常に良いことですが、それだけ競争相手が増えていくことになります。そして、特に県外に販路を求める農場の場合、「GAP認証をとる」ことは農場のブランディング構想に欠かせないものとなっています。

肥料代や農薬代、そして生産出荷資材費の上昇が止まらない現状において、有利な販売先といち早く取引関係を構築することは農場の持続的な経営発展には不可欠な課題となっています。

このようなことから、「GAP認証」取得に向けた情報の提供及び一連の手続を通じて、継続的な農場発展に向けた販路拡大に対するお役立ちをいたします。

「GAP」につきまして、ご興味ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせ – アクシアークス行政書士事務所 (axiarqs.com)

参照:農業生産工程管理(GAP)に関する情報:農林水産省 (maff.go.jp) 
参照:GAPの必要性 | 日本GAP協会 (jgap.jp)

桃の花

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