はじめに
生産者の方で既に認定農業者として認定を受けている方も多いと思います。
この記事では、認定農業者(制度)とは何か、認定を受けるための手続はどのようなものか、認定農業者はどのような支援を受けることができるのかといった事を内容としています。
この記事が少しでも認定農業者について興味がある方の参考になれば幸いです。
認定農業者制度について
認定農業者(制度)とは?
認定農業者制度は、農業経営基盤強化促進法に基づく制度です。
そして、認定農業者とは、経営改善を図ろうとする農業者が自ら農業経営改善計画を作成・申請し、➀市町村の基本構想に照らして適切であり、➁その計画の達成される見込みが確実で、➂農用地の効率的かつ総合的な利用を図るために適切である、との基準に適合する農業者として、市町村から認定を受けた者をいいます。
認定農業者制度の趣旨(制度理由)は、農業者が市町村農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想に示された農業経営の目標に向けて、自らの創意工夫に基づき、経営の改善を進めようとする計画を市町村が認定し、これらの認定を受けた農業者に対して重点的に支援措置を講じようとするものです。
認定農業者認定を受けるための手続
令和2年(2020年)4月から申請先の統一が実施されるようになりました。
このことは、令和2年4月から、複数市町村にまたがって農業経営を行う農業者の方については、これまでの市町村に代わり、県または国が一括して「農業経営改善計画」の認定手続を行うことを内容としています。
※ ただし、現在、認定を受けている農業経営改善計画は、認定期間中は有効ですので、直ちに県または国へ申請し直す必要はありません。
【申請先について】
(1)農業経営を営む区域〔単一市町村の区域内〕の場合
➡認定庁〔市町村長〕
(2)農業経営を営む区域〔複数市町村にまたがり、単一都道府県の区域内〕の場合
➡認定庁〔都道府県知事〕
(3)農業経営を営む区域〔複数市町村にまたがり、複数都道府県にまたがる場合で、単一地方農政局の管区内〕の場合
➡認定庁〔地方農政局長〕
(4)農業経営を営む区域〔複数市町村にまたがり、複数都道府県にまたがる場合で、複数の地方農政局の管区にまたがる〕場合
➡認定庁〔農林水産大臣〕
参照:農林水産省作成資料
【申請書類について】
例:【新潟市】
農業経営改善計画認定申請書(記載要領)(PDF:143KB)
農業経営改善計画認定申請書(記載方法)(PDF:528KB)
別紙及び添付書類(法人用)(PDF:51KB)
※新潟市からその他の必要書類が求められる場合があります。
※2020年4月より申請書の様式が変更されています。
※ご自身の農業経営を営む区域をご確認の上、必要な申請書類を準備する必要があります。
【認定手続について】
例:【新潟市】
認定月(4月、7月、10月、1月)の1か月前の初日(締切日)までに申請書類を作成し、就農地のある区の窓口に提出します。
※就農地が東区、中央区の方は、江南区に提出します。
※就農地が他の市町村にまたがる方は、就農地所在地を管轄する県の地域振興局が申請窓口となります。
※自治体によって認定手続が異なる場合がありますので、確認が必要となります。
認定農業者はどのような支援を受けることができるの?
認定農業者には、スーパーL・S資金等の低利融資制度、農地流動化対策、担い手を支援するための基盤整備事業、農業者年金の保険料助成等の各種施策が重点的に実施されています。すなわち、認定農業者制度は、農業経営改善計画により設定した目標の達成に向けた取組に対して、関係機関・関係団体から支援を受けることができる仕組みとなっています。
さいごに
認定農業者制度は、自ら経営改善に取り組むやる気がある農業者にとっては活用したい制度といえます。
農業経営改善計画を作成することは現地点までの農業経営を見直す良いきっかけになりますし、その計画は市町村等によって認定されます。
認定を受けた計画による行動が求められますから、どんぶり勘定の経営から脱却することも可能です。将来的に法人化を目指すのであれば、法人化に至るまでのストーリーを計画書に表現して目標設定していくことも可能です。
大切なことは、認定農業者制度や農業法人化といったものは、目的ではなく「手段」であるということです。これらの制度は、農業経営を強化するためのいわば「道具」のようなものですから、道具を活用する目的をしっかりと設定することで軸がブレない農業を実現することができると考えています。このことは、農場の対外取引の場面でも、「当社はこういう目的で認定農業者となっています。」、「当社はこういう目的で農業法人を設立しました」といったように聞く側にストーリーを伝えることができるメリットがあります。
農業法人の種類(株式会社/農事組合法人)<農業法人設立をお考えの皆様へ> – アクシアークス行政書士事務所 (axiarqs.com)
これらの制度を活用したくても、「これは市役所、これは農業委員会事務局、これは地域振興局」と実に窓口は多種多様で、人事異動によって担当者の方も変わり得ます。このことは私たち利用者にとって非常に不便な点です。
そこで、行政手続の専門家として、例えば、<農地の貸し借り>、<国・県単農業補助金申請>、<農地の転用>、<農地の売買>、<農地賃貸借契約書の作成>、<認定農業者申請>など、ご相談者様が必要とする手続のサポートを通じて効率的で円滑な農業経営発展にお役立ちいたします。
少しでもお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
お問い合わせ – アクシアークス行政書士事務所 (axiarqs.com)